ハク、再不斬・・・・・・




今度はお前たちを助けてみせる、そのための力と知識だから、




もう失うことはしない、全て守ることはできないかもしれない、




でも、守れると信じて俺は俺自身の道をヒナタと共に歩いてみせる。、




俺は、今度こそみんなが生きて笑い会える未来を・・・・・・




たくさんの涙のあとの幸せじゃなくて、たくさんの笑顔がみられる幸せを作ってみせる!!!






第九話:再不斬襲来、そして、ハクの登場






「ちょいと先生さん方よ、話したいことがあるんだが・・・・・・」

話を聞いていたタズナが口を開き、カカシ、紅を呼び止めた、二人は振り返り、タズナの言葉に耳を貸す。

「これで大丈夫」

「うん、ありがとう、ヒナタ」

(九喇嘛もありがとな)

傷の手当てをしていたナルトはヒナタと九喇嘛に礼を言う、


「大丈夫なのかよ、ナルト」

「おう、これくらいなんでもねぇよ!シノとキバは大丈夫だったか?」

「バーカ!お前の方が怪我してんだから自分の心配してろってーの!」

「そっか、ならいいな、いこうぜ」

「あぁ!」



数時間後、徒歩で移動し、ナルトたち方舟に乗り、川を渡っていた。


霧が深く辺りが見えない、



「深い霧ね、前が見えないわ」

サクラがつぶやくと、


「そろそろ橋が見える、その橋沿いに行くと波の国がある」



火の国からナルト達を乗せてきた、タズナの友人が言うとおり、しばらくすると、橋が見えてきた。



後に、ナルト大橋と名付けられるその橋を見ながら、ナルトは懐かしく眺めるのだった。



「でっけぇ橋だな!」

とその大きさに、キバが声を出すと、

「こ、こら!静かにしてくれ、このきりに隠れて船出してんだ・・・・・・エンジン切って手漕ぎでな」


ガトーに見つかったら大変なことになる。




と、忠告を受け、先程の話を思い返す。





そして、話は先ほどタズナがナルトの治療をしていたカカシ達に話しかけた時に遡る。

「先生さんよ、ちょっと話したい事がある、依頼の内容についてじゃ、あんたの言う通りおそらくこの仕事はあんたらの“任務外”なのじゃろう、実はわしは超恐ろしい男に命を狙われているんじゃ」


「超恐ろしい男・・・・・・?」
と、紅が聞くと、タズナは言いよどむ。




「・・・・・・誰です?」

とカカシが返事を待つとタズナはため息をつきながら口を開いた。

「はぁ、あんたらも名前ぐらい聞いたことがあるじゃろうが」

と重たい口を開く、タズナの話を開く、



「海運会社の大富豪のガトーという男だ」




「!えっ!?ガトーって・・・・・・あのガトーカンパニーの!?世界有数の大金持ちと言われる・・・・・・!!?」


紅は驚きを隠せない・・・・・・カカシも驚いている。



タズナの命を狙う男は名前を聞けば誰もがわかるくらいの有名人だったのだ。




「そう、表向きは海運会社として活動しとるが裏ではギャングや忍を使い麻薬や禁製品の密売、
果ては企業や国ののっとりといった悪どい商売を業としている男じゃ、
1年ほど前じゃ・・・・・・そんな奴が波の国に目をつけたのは、財力と暴力をタテに入り込んできた奴はあっという間に島の全ての海上交通・運搬を牛耳ってしまったのじゃ!
島国国家の要である交通を独占し、今や富の全てを独占するガトー・・・・・・そんなガトーが唯一恐れているのがかねてから建設中のあの橋の完成なのじゃ!」





タズナが説明を終えるとサクラは手でアゴを掴みながら





「なるほど、で!橋を作ってるオジサンが邪魔になったって訳ね・・・・・・」




と納得し

「じゃあ・・・・・・あの忍者たちはガトーの手の者・・・・・・ってこと?」


と、シノやキバ達も納得した、ナルト、ヒナタは黙って話を聞いていた。


「・・・・・・」


タズナが話終え黙っていると

「しかし分かりませんね、相手は忍すら使う危険な相手、なぜそれを隠して依頼されたのですか?」

カカシが疑問に思っていた事を聞くと

「波の国は超貧しい国で大名ですら金を持ってない。もちろんワシらにもそんな金はない!高額なBランク以上の依頼をするようなな」

タズナが理由を話すとカカシは困った顔をし、タズナを見ていた。するとタズナが


「まあ・・・お前らがこの任務を辞めればワシは確実に殺されるじゃろう・・・・・・がな、
なーにお前らが気にすることはない。ワシが死んでも10歳になるかわいい孫が一日中泣くだけじゃ!!
あっ!それにわしの娘も木の葉の忍者を一生恨んで寂しく生きていくだけじゃ!いや なにお前達のせいじゃない!」


「一種のおどしよね・・・・・・」

「あぁ・・・まぁ、送り届けるくらいは大丈夫でしょう」



そんな会話を思い返していると、カジが声をかけた。




「もうすぐ国に着くぞ」

うっすらと霧の中に集落が見えてくる。

「タズナ・・・どうやらここまでは気付かれてないようだが、念のためマングローブのある街水道を隠れながら陸に上がるルートを通る」

「すまん」




そして街水道を抜けると街に流れる川に出て近くの船着き場に停まり、カジ以外の人間はそこに上陸した。





「オレはここまでだ、それじゃあな気ぃつけろ」

「ああ、超悪かったな」

と感謝し礼を言うとカジは小舟のエンジンのスイッチを入れて去っていく、それを見送り

「よーしィ!ワシを家まで無事送り届けてくれよ」




「はいはい」



と、返事を返しながらも、カカシは次は上忍レベルが襲ってくることは確定しているようなもの、



面倒なことになったとため息をついていた。


≪ヒナタ、もうすぐ桃地再不斬が襲ってくる、協力して欲しいってばよ≫

≪うん、わかった≫

心話で会話をし、襲ってくるであろう再不斬に備えていた。



≪ヒナタ、紅先生がいるから最悪な状態にはならないと思う、
でも、写輪眼を使われてカカシ先生に一週間も寝込んでもらったら困る。だから、力を加減はするけど相手を戦闘不能にし、捕らえたいんだ≫


≪分かった・・・・・・≫


と、再不斬の気配を感じた、ナルト、ヒナタは警戒を強める。





そのすぐあと、紅、カカシも気づいたようだった。



「全員伏せろ!!!」

というと、ナルトはタズナを護り、紅はキバとシノを、ヒナタはサクラとサスケをかばって伏せる。

次の瞬間、回転しながら飛んでくる刀が迫ってきた。

交わした刀が木に刺さり、それに再不斬が乗った。



「へーっ、こりゃこりゃ、霧隠れ抜け忍の桃地再不斬くんじゃないですか」


「サクラ、サスケ、キバ、シノ、紅はタズナさんを頼む!ヒナタとナルトは援護を頼む!」

『了解!』

事情をすべて知っているカカシだからの判断だが、紅たちは疑問しか浮かばないまま戦闘に入っていく、


「先生、写輪眼は使わなくていいよ・・・・・・俺たちでなんとかする」

「ナルト!?」

「カカシ先生にはまだダウンしてもらっては困るんです、私たちに任せてください」


「わかった、見せてもらおうじゃないかお前たちの本領を」

「おう!」

「はい!」


そういって、ナルトとヒナタは変化の術の印を組む、するとナルト、ヒナタは二十歳前後の姿に変わっていた。


「写輪眼のカカシと戦えると楽しみにしていたんだが、下忍に相手をさせるとはな・・・・・・死ぬぞ?このガキども」

「それはどうかな・・・・・・いくぞ!ヒナタ」

「うん!ナルトくん!」




「再不斬だっけ?あんたこそ俺たちを甘く見てると痛い目みるよ?」

「なにせ、私たちは・・・・金黒の獅子と呼ばれていましたから」


そう言って向かっていく二人の体の動きは全く同じ、息をするタイミング、体さばき、攻撃のかわしかた、全てに無駄がなかった・・・・・・


再不斬は池上に移動し、ナルトたちもその後を追って池上に移動する。





「水の上に立ってる!?」

とサクラも驚いていた。

印を組んでいる再不斬を見てカカシは、かなりのチャクラを練り込んでやがる!と思っていると、



「忍法・・・霧隠れの術」

と再不斬が術を発動させ霧の中に消えた。

「消えた!?」

「甘いな・・・・・・そのくらいじゃ・・・・・・俺たちは見失わないぜ?風遁!大突破!」


ナルトは風遁を使うと、一気にその風で霧を晴らす。


驚いた再不斬のスキをヒナタは見逃さず、柔拳で経絡系を突いていく・・・・・・


「こ、これは・・・・・・」


点穴をつかれ、チャクラを練れなくなってしまう再不斬、あっという間の出来ごとだった・・・・・・




「・・・・すげぇな、ナルト、それにヒナタも」

圧巻とするキバたち、サスケは腹立たしくナルトを見つめていた。



再不斬を捉えると、すぐさま瞬身で陸地に戻り、カカシに再不斬を引き渡した。



「カカシ先生こいつを捉えて見張っててくれってばよ、もう一人説得しないといけない奴がいるんだ、行ってくるってばよ」


「あ!おい!ナルト!」







そう言って、ナルトは変化を解き、もう一つの気配を追って飛び出していった。









瞬身でその気配のぬしを見つけたナルトはその主の目の前に立つ。



逃げようとするその人に「まってくれ!ハク!」と、声をかけたナルトにハクは面外さないまま振り返った。




「再不斬は俺たちが捉えた、見てたろ?ハク、だからお前たち二人もガトーと手を切ってくれってばよ!」

「なぜ?そんなことを言うんだい?」

「それは、死んで欲しくないからだってばよ、ハク」

「今日初めてあった僕たちを助けようとしている、不思議な人だね君は」

「誰かを守りたい気持ちは人を強くする」

「?」

「お前が、俺に教えてくれた俺の忍者としての心構えを教えてくれた言葉だってばよ」

「・・・・・・君は、一体」

「俺はうずまきナルト、木ノ葉隠れの里の下忍だってばよ、だけど、俺は以前の自分の人生を一度終えて、腹に抱える九尾と一緒に過去の肉体に時間を遡ってきたんだってばよ」

「・・・・・・信じられませんね、にわかには」

「だろうな、じゃあお前の過去や血継限界のことを話せば信じてくれるか?」

「??!」

「それとも、お前と再不斬の最後をいえば信じてくれるのか?」

「君は」

「ったく、大人げねぇってばよ、俺も精神年齢100歳超えても、お前一人言葉で納得させらんないなんてよ、シカマルがいてくれたらもう少し俺のフォロー入れてくれるんだけどな、」



頭を、ガリガリ掻きながらため息をつくナルト、



「ナルト君、君は僕たちをどうしたいのですか?」

「救いたい、生きて欲しい、そして、できればガトーと手を切って欲しい・・・・・・そして、木ノ葉に来ないか?」

「えっ・・・・・・」

「三代目火影の許可は取ってある、お前たちが受けてくれるならこの任務が終わり里に帰り次第、お前と再不斬を木ノ葉の暗部として迎えてもらえるように話をつけてるってばよ」



「ナルト君、君は・・・・・・本当に?」

「裏切ったりしない、俺は、お前たちを死なせたくないんだってばよ!生きていて欲しい、今度こそ笑いあって欲しい、だから!ガトーと手を切ってくれってばよ!」



「再不斬さんと話をさせてください」

「ハク・・・・・・」

「それから、二人で考えます、どうするのがいいのか、構いませんか?」

「あぁ、それでもいいってばよ。俺たちが戦わなくて済むならそれでもいい」

「・・・・・・ありがとう、ナルト君」


「それは、こっちこそだってばよ、俺の話、聞いてくれてありがとうってばよ、じゃあ、行こう!」




「はい」











未来が変わるかどうかはまだわからないが、少しだけ前進できたことを確信したナルトだった・・・








だが、まだガトーとの橋をめぐる問題は解決してはいない・・・




それゆえに、タズナを送り届けた後、ガトーの残党を退治するためしばらく滞在することになるのだった・・・











NEXTSTORY→


++あとがきと書いて反省文と読みます++
久々の更新です、原作大幅捏造してしまいました・・・
ご不満などはいちお受け付けますが、とりあえず書き直す予定はございません。

次回は前回とは違い元気なカカシ先生との修行です。
サクラ、サスケ、キバ、シノは、紅と木のぼりです。

ナルトとヒナタはカカシ先生の個人授業が入る予定・・・ですが・・・あくまで予定です。
あしからず・・・