1. 宮内庁・公認探偵
黒の組織が壊滅した、日本だけでなく世界各国への影響を及ぼし暗躍していた闇の組織、その組織を壊滅に導いたのは、一人の少年だった。
彼の名前は江戸川コナン……いな、工藤新一、組織の開発する薬によって高校生だった肉体が幼児化されてなおもその組織と戦い続け、そして、その壊滅に貢献した人物だった。
組織を追い詰める過程で過去に二度NOCリストが組織の手に渡りかけるという事件があった。だが、それを回避したのも工藤新一であり、
その事実が判明したことと組織壊滅に大きく貢献した実績をかわれ、工藤新一を宮内庁公認探偵にと声が上がり、そしてそれは認定された。
それが、本人だけでなく、周囲の人間に知らされたのは、突然だった。
その日、毛利蘭はいつものように登校すると、教室の一角に人だかりができていた。その中心にいたのは、長く姿を見せていなかった幼馴染の工藤新一が登校していた。
「し、新一!?」
「よぉ、蘭、久しぶり」
そういって笑い、手を上げる幼馴染に自分に帰ってきた事が知らされていなかったことに、一番に会いにきてくれなかったことに怒りがこみ上げていた。思わず詰め寄る蘭、
「あんた、帰ってきてたなら、知らせてくれてもいいじゃない!」
「わりぃな、今日の早朝にアメリカから帰ってきたんだ、おめぇだって朝早くに起こされんのも嫌だろうと思ってよ、だから言わなかったんだ」
「そういうことじゃなくて!」
「?まぁ。とにかく悪かったって」
「それより工藤、お前どうしてたんだよ」
「?あぁ、事件は一ヶ月前に終わってたんだけど、その事後処理でいろんな国に行って大統領とかいろいろいろ国家主席と会食とかいろいろあってよ、
それでちょっと遅くなっちまったんだ、事件の内容は言えねぇんだ、俺だけじゃなくて世界規模の事件だったから守秘義務と戒厳令がしかれててよ」
「世界規模って……マジすげぇな!工藤」
「それでもそれ解決しちゃうんだもん!さすが工藤くんだよ!」
そういって、クラスメイトと談笑する新一の姿をみて、蚊帳の外にされている疎外感を感じていた蘭は、またさらに怒りがわいてきて、新一を問いただそうと割って入ろうとしたそのとき、
ガラッ!
教室の戸が開き、教室の生徒の視線が戸に向かうと、そこには……
「安室さん?」
「新一くん!やったよ!認可が下りた!」
満面の笑みで新一の元に走り寄ったのは、一ヶ月前まで父小五郎の弟子をしていた、安室透だった。当の安室はというと、満面の笑みを浮かべ新一の手をとり、「さすがは新一くんやはり」と新一と話している。
何のことかさっぱりの周囲をよそに一人盛り上がる安室を制したのは、「一人で盛り上がっていては新一も困惑するぞ降谷君」と声をかける赤井秀一だった。
「盛り上がらずにいられるか!宮内庁公認探偵だぞ!世界公認探偵といっても良い!君ほどの人間が評価されないことはないと思っていたが、僕はうれしいよ!!」
「それはわかる、新一、認可おめでとう、これで君は事実上の平成のシャーロック・ホームズと呼ばれて遜色ない探偵だ」
「秀さん……ありがとうございます、零さんも、でも、認可が下りたんですね……」
「あぁ、これから君はもう無理に高校に通わなくてもよくなるよ」
「行こうと思えば世界各国どこでもいけるし、すぐに大学に入れる、それも君が望めばどこの大学でもね」
「俺には過ぎたものだとおもいます、責任が重いですね」
「君なら、それすらも自分の糧にできるさ、不本意だが、君の助手に僕と赤井が付くことになった、僕だけで良いといったんだけどね」
「えっ!?二人が俺の!?そんな、もったいないですよ!」
「そんなこと言わないでくれ、我々が望んで決まったことだ、そして、もう一人志保さんもね」
「そうですか、志保も」
「さ、これからいろいろ忙しくなる、学校には事情説明をしてある、行こうか」
「はい」
そういって、二人の間に挟まれ、「わりぃけど、帰るな俺」とクラスメイトに告げると、新一は二人と一緒に教室を去った。
まるで自分など存在しないような風に去っていった新一に対し、蘭は帰りに絶対新一を問い詰めてやるとその日一日イライラしながら過ごしていた。
宮内庁公認探偵これが蘭と新一との関係を分断することになってしまったことを知ることもなく、
蘭と園子、真純は放課後新一の家に勇み足で向かった、向かう途中も新一への怒りが収まらない蘭に園子もそれに同調していた。
新一の家の前につき、インターホンを押すと、玄関戸口から顔を出したのは、新一の母、有希子だった。
「あらぁ、蘭ちゃんに園子ちゃんに真純ちゃんじゃない!」
蘭と園子は驚く、以前から面識があった二人はともかく真純と有希子は初対面のはず、なぜ知り合いなのかという顔をしている。
「今日、新一くんが学校来たんだけど、秀兄と安室さんがつれてっちゃったからあんまり話せなかったからって二人が……」
「あら、そうなの?でもごめんなさい、これから新一たちと出かけるからあんまり話す時間はとれないと思うわよ?」
「でも!いるんですよね、新一」
「えぇ、いるけど、今日は忙しいのよ、ほら、宮内庁公認探偵に任命されたからそのことで皇居に呼ばれているの」
「こ、皇居!?」
「そうなのよ、私たちも呼ばれてるの、だから今ドレスに着替えてお化粧しなくちゃって準備してたのよ」
「誰か来たのかい、有希子」
「えぇ、蘭ちゃんと園子ちゃんと真純ちゃんがね」
「あぁ、すまないね、新一は今、零くんと秀一くんと一緒に着替え中でね、有希子、志保さんのドレス、決まったのか?」
「あらやだ、そうだったわ!それじゃあ、ごめんなさい、蘭ちゃん、園子ちゃん、あぁ、そうそう、蘭ちゃん、新一が言ってたわ、
ロンドンでの告白の返事、この半年間一度も返事をするそぶりも見せなかったことに対してはもう何も言うつもりもないそうよ、
宮内庁公認探偵に認定されてしまったからどの道蘭ちゃんとはお付き合いできなくなってしまっただろうから、今となっては、振られてよかったって、言っていたわ」
「わ、私振ってなんていません!!新一に会わせてください!」
「蘭、日を改めたほうが良いよ、今日はたぶん会えないと思うわ」
「園子!?なんでよ!」
「皇居に呼ばれてるってことはこれから天皇皇后両陛下にお会いするって事よ!そんな大事な日に告白の返事すらしていないただの幼馴染にかまっている時間はないと思う、新一くん」
「園子ちゃんは意外と冷静で助かるわ、ごめんなさいね、真純ちゃんも」
「いいんだ、また後日落ち着いたらうかがうよ、有希子さん」
「えぇ、ありがとう、じゃあね」
そういって、有希子は玄関の戸を閉め、三人を屋敷内に入れることなく去っていった。
「園子どうして止めたのよ!」
「あのね、蘭、それよりももっと大事なことあるでしょ?何で新一くんに告白の返事をしてないの」
「そ、それは、新一が帰ってきて直接しようと思って」
「でも、半年はないよ……新一くん、振られたと思って当然だと思うわ」
「まぁ、どのみち付き合ってたとしても、宮内庁公認探偵になったのなら、蘭くんとはどのみち別れないといけないことになってたと思うよ、傷が浅いうちでよかったね」
「ど、どういうこと!?」
いまいち、園子、蘭は、宮内庁公認探偵というものがよく理解できていなかった。そもそも今まで存在しなかったのだから、
知るわけがないのだ、詳しくその宮内庁公認探偵というものがどういうものなのか説明するため、三人は探偵事務所に向かった。
「おーぅけぇったか蘭」
「ただいま、お父さん、夕飯ちょっと待って、世良さんの話しを聞きたいから」
「あ?なんだぁ?」
突然三人で帰宅した娘の表情が強張っている事に小五郎は何がったと思う、だが、どうせそんな顔をするときは大体新一がらみだと思っていた為、小五郎も深く追求しなかった。
「どうしたんだ」
「お父さんは知ってる?宮内庁公認探偵って」
「はぁ?宮内庁公認探偵!?んなものはしらんな」
「まぁ、知らなくて当然さ、世界初の世界公認探偵の称号だからね、で、その宮内庁公認探偵ってのは、宮内庁が認めるほどの頭脳、知識、実績、自国への貢献、そして、世界国家への貢献度から判定されるものなんだ」
「それってどういう風に選ばれるの?」
「工藤くんの場合、今回関わっていた黒の組織壊滅の一番の功労者って言うのが一番の理由さ、あの組織には、世界各国さまざまなスパイを送り込んで壊滅をさせようと活動していたから、
その組織を壊滅させることができた彼の功績は世界平和に繋がるといってもいい」
「それで!宮内庁公認探偵ってどういうものなの!?」
「あぁ、宮内庁公認探偵って言うのは、日本だけじゃない、世界の主な先進国の首脳、国王、女王が認可しないといけないんだ、
条件として、世界貢献と、その頭脳、知識、語学、すべてにおいて他を逸脱する能力だとみとめられた人間だってことさ、でも、その認可が下りた瞬間から、工藤くんには、結婚という一部分にだけ制限がかけられるんだ」
「せ、制限ってどんな?」
「まず、前科のある人間は絶対に婚姻届を提出しても不許可になる、これは日本だけじゃなくどの国で提出しようともね、後は、IQが少なくとも200はある女性でないと許可が下りない」
「IQ200!?どうしてそんな制限がかけられなきゃいけないの!?」
「彼は極めて頭脳指数が高い調べた結果400はあると診断された、それゆえに彼の子供はさらに頭脳指数が高くなるかもしれないと予想を立てた科学者の見解で、
最低でも200はないと、彼と結婚をしてはならない、したくても許可は下りないという決まりになったんだ」
「じゃ、じゃあ、さっき世良さんが言ってたどの道別れないといけなくなるって言うのは」
「うん、その頭脳指数の問題だね、逆に言えば頭脳指数さえクリアすれば、彼と結婚できるってわけ、なかなかのハードルだよね」
「ち、ちなみにそれって断ることできる「わけねぇだろ、宮内庁公認ってことは天皇皇后両陛下に任命されるのと同じだ、お前だったら断れるのか?蘭」
小五郎に言われ、どう自分があがいたとて、日本国家や世界を相手に喧嘩を挑む馬鹿はいないといわれ、途方にくれる。
「まぁ、まだ高校生なんだし、初恋が必ずしも報われるなんて決まってないんだし、取り返しが付く時期での失恋でよかったんじゃないのかい?」
「でも!私はずっと、新一を新一だけを好きだったんだもん!いまさら他の人となんて考えられないよ!!」
「ふーん、じゃあ、何で工藤くんの告白の返事半年も放置したんだい?」
「そ、それは……」
「工藤くん自身は振られたと思ってるだろうし、蘭くんは振ったとは思ってないと思うけど、まぁ、この際はすっぱり忘れたほうが君のためだと思うよ?
世界公認探偵だったらきっと前のときよりもっと苦しい思いもしないといけないだろうし、待ってるだけが辛いって思うなら、きっと君には無理だと思うよ?」
「たしかにね、世界公認ってことは世界を旅する感覚で新一くんにくっついていればいいってことじゃないし、蘭貴方、英語少ししか話せなかったわよね」
「えっ、う、うん」
「だったらなおさら、新一くんをあきらめたほうがいいよ」
「ど、どうして!?」
「新一くんのそばにいるために覚えなきゃいけないこと山ほど発生するわよ、テーブルマナーや語学、その国の歴史、法律、その国でしてはいけない行為、
蘭がうかつにする言動すべてが新一くんの評価になるって事よ、うかつな行動や言葉を発する人を選んだとは新一くんも思われたくないでしょうしね」
「じゃ、じゃあ私はどうすればいいの!?」
「新一くんをあきらめるほかないよ、蘭、新一くんは本当にホームズになっちゃったのよ、限られた人間しかそばに入れない領域の存在になっちゃったのよ、あんたはそばにいることを許されないわ」
「……新一は私をすきって言ったのよ!だったらそばにいるのが普通じゃない!新一だったらその任命されたら私と一緒にいられなくなるってわかってるはずなのになんでそれを受けたりしたのよ!」
蘭の叫びに、「新一くんを振ったのは君のほうだろ?蘭さん」と、声をするほうを振り返るとそこにいたのは、ドレスコートを身にまとった、安室だった。
「お前!安室!」
「お久しぶりです、毛利先生、ご挨拶もせず、勝手に弟子を辞める形になってしまいまして申し訳ありません」
「お前はいったい何者なんだ!」
「申し遅れました、僕は、本名は降谷零、本来の役職は警察庁警備局警備企画課所属の公安の人間です」
「こ、公安!?じゃ、じゃあお前が俺のそばにいたのは任務だったのか!?」
「国家に関わることですので、言うことはできませんが、今は公安を離れ、新一くんの護衛と助手に任命され、その任についています」
「た、探偵坊主の!?」
「えぇ、彼には我々公安が数え切れないほどの恩がある、だからこれ以上彼を苦しめるならたとえお世話になったあなた方といえども、
徹底的排除しますよと、そのことをお伝えしに上がっただけのこと、彼はわが日本にとっての宝とも言える人間、彼の輝かしい未来を邪魔するものは徹底的にね」
「わ、私たち邪魔なんてしません!!」
「そうですか、では、蘭さん、彼のことをあきらめてくださるんですね、よかったです」
「な、なんで邪魔しないことが新一をあきらめることになるんですか!?」
「彼は、これから日本だけでなく、世界の凶悪犯罪と戦うことになっていきます、戦うたびに貴方に足を取られていては、彼はいつか貴方のせいで死んでしまう、彼には何の憂いもなく迷いなく探偵として突き進んでほしいんですよ」
「私だって新一を助けられるわ!今までだって何度だって犯人を倒してきた」
「犯人は倒すものじゃない、捕らえて罪を償わせる者です、貴方が今までしてきたことは捕らえたとは言わない、文字通り拳で倒してきた、まるで正義の味方気取りで勇者が悪魔の首を切り落とさんとせんがごとくね」
「悪いやつを倒して何が悪いって言うんですか!?」
「悪いですよ、貴方酉の市でのひったくりと殺人の犯人になにをしましたか?」
「あ、あれは!あの人が悪いのよ!だって人を一人殺してるわ、それに私だって殺されかけたし!」
「あなたは、傷一つおっていなかった、なのに貴方は空手で相手の脳天を攻撃しコンクリートの壁にめり込ませるほどの力で攻撃した、今現在捕まった犯人は意識不明の重体です」
「そ、そんなこと!聞いてない!」
「そんな経緯が過去何度もありますね、上村直樹選手の自宅への侵入、暴行、貴方はドアを蹴破って足を骨折して踏ん張れない松葉杖の上村選手にあごの骨に皹を入れるという惨事まで起こしている、
訴えられていないのはあくまで彼らにもしてはいけないことをしてしまっているということがあったからです、貴方が許されているわけではない、
そういう行為が積もり積もって前科と同等の評価が貴方に下っています、つまり、貴方が彼の妻になることはない、
まぁ、IQで制限をかけられますから、土台、彼の伴侶にはなれないでしょうがね」
「安室さんひどい、優しい人だと思ってたのに」
「僕はもともとこういう人間です、大切な人間以外どうでもいい、僕にとって今一番大切なのは新一くんなのであとは誰がどうなろうと国の安全さえ守れれば僕は基本冷酷にも無慈悲にもなれますよ」
「それに、君では到底無理だろう、新一はこれから世界での国賓扱いになる、国際マナーや英語一つ日常会話もままならない者が、新一の伴侶は務まらない、彼におんぶに抱っこでいいなら、君よりもいい女は世界に五万といる」
声が聞こえ戸口に目を向けると、そこには一人の男性が立っていた。
「だ、だれですか?」
「秀兄!」
「赤井!お前は下で待ってろって言っただろ!」
「だがそろそろ時間が迫っている、我々も天皇皇后両陛下にお招きいただいてる身だ、いそがないとな」
「っち、わかった」
「秀兄」
「真純、また後で電話する」
「わかった、まってるよ」
話をそこそこに切り上げさせられたことに苛立っていた降谷だったが、
天皇皇后両陛下をお待たせするわけにはいかないと、その場を赤井とともに立ち去った。
「世良さんあの人は知り合いなの?!」
「僕の一番上の兄貴さ、僕と秀兄はママ似だから結構気づいてもらえやすいんだけどね」
「確かに目元が似てたわ」
「秀兄はFBIとして今回工藤くんと事件に関わっていたんだ、
捜査中に知り合ったんだけど、命の恩人らしくてさ、だから兄さん工藤くんのことがお気に入りなんだ」
「へぇ」
「まぁ、あの二人がガードしてたら、蘭くんは絶対新一くんと単独での接触はさせてもらえないだろうね」
「えっ!?」
「兄貴はFBIきってのスナイパーで、降谷さんは公安の実力派エースだよ、あのふたりの護衛を相手にするのは蘭くんじゃ無理だと思うよ、
まぁ、兄貴のいうとおり、工藤くんと結婚となると蘭くんはきっと今までよりもずっと一人になるんじゃないかな?君自身が公の場でのわきまえた行動ができる人間とは思えないし、
いいんじゃないのかい?初恋を必ず実らせないといけないわけじゃないんだし、失恋し続けていた園子くんをみなよ、
それでも京極さんっていう素敵な人に出会えてる、君も一度失恋したぐらいでそこまで固執しなくてもいいんじゃないのかい?」
「私にとって新一以上の人なんているわけない!!」
「そうだね、工藤くん以上に君のわがままを聞いてくれて君を守ってくれる人はそうそういないだろうね、でも、それならもっと工藤くんを大切にするべきだったね、工藤くんが君を大切にしていたように」
「私が新一を大切にしてないって言うの!?」
「まず、告白してくれた工藤くんに対して、今の今まで返事をしていない時点で大切にしていないよね?
ずっと自分を待ってくれていた君に対してこれ以上自分のことで心配も不安もさせたくないって気持ちで言ったはずだよね?
蘭くんはいったんだよね探偵なら私の気持ちを推理してみなさいよって、ならなんで告白の返事を待たされ続けた工藤くんの気持ちをわかってあげようとしなかったんだ?
まぁ、もう無理だよ工藤くんには君より素敵な人がそばにいる、その子は自分の幸せより相手の幸せを願える人だ、
他人の痛みを自分の痛みにしてしまうほど優しい女性だし、なにより、工藤くんが唯一有希子さん以外で口で勝てない女性だからね、
頭脳もIQ280で、医学、薬学、科学の分野にも精通している、彼が探偵として生きていくにはこれ以上ない相手だって僕も思うよ」
「なによ!新一はその子と浮気してたってことじゃない!告白しておいて浮気するなんてそっちのほうが最低だわ!」
「じゃあ、そんな最低な男こっちから願い下げってことだよね、蘭くん」
「そ、それは……」
「君は工藤君との未来が見えていなかった、告白されてドラマのようなシュチュエーションで返事をして両思いになりそこでエンドクレジットがつく、
それからの二人の未来なんてまだ全然想像できてないみたいな君に、君と付き合い日々を過ごすうちに結婚するのだろうという未来まで考えていた工藤くんとは、
まず見ていたもの見ようとしていたものが違う、そうだろ?同じ景色を想像できない者が一緒にいたってすれ違って分かれるだけさ、まぁ、これだけはいっておくよ、
君だって、両親のそういうところをみてるからわかるよね、じゃ、これ以上はらちがあかないみたいだから僕は帰るよ、お邪魔しました」
「あ、じゃあ、私も」
そういって、園子と真純は探偵事務所を後にした、自分本意の行動で自分の恋の幕を落としてしまっていたことに、
蘭は気づく、だが、蘭はまだ知らなかった、これから初恋と同時に父のこれまでの探偵としてのキャリアさえ失う事になることに、
自分が見つけようとして目をそらした現実と事実がまるで雪崩や津波のように押し寄せてくることをまだ知らなかった。
++あとがきと書いて反省文と読みます++
ちょこちょこ書きで書かせてもらって、やっと一話完結です。
この小説の設定のネタは、キャプションにも書きましたが、
ノイタミナさんの制作したアニメ乱歩奇譚が元になってます、
優れた頭脳を持っている人間がその頭脳で世に貢献したら学校に通わなくてもいいという設定です。
ということは、新一も優れた頭脳を持っているし、世に貢献もした、
なら同じ待遇になっても不思議じゃないと思いついてしまったがゆえに書いてみた作品です。
結婚に制限がかかるという設定にしたのは蘭を法的に配偶者にしない方法はないかと模索した結果にああなりました。
当初、IQさえクリアすれば、男でも女でも結婚でき、重婚も認められるなど、いろいろオプション設定考えてみましたが、
新一くんはやっぱり志保さんonlyloveでいてほしいので、結婚制限のみにしてみました。
どこまで続くかわかりませんが、今後もよろしくお願いします。
ちなみに次回は、江戸川コナンの真相と、これまでの小五郎、園子、山村の推理のネタばらし話になります。
新一くんの推理の恩恵をもらってきた三人ですが、
本人の実力以上の結果を出してしまってたので、忠告話になると思います